まずは数十個を仕入れて試しに販売したいのに、商品ページには「100個から注文可能」と書かれている。複数の色を組み合わせて注文できる業者が見つかっても、色ごとに最低数量があると言われることもあります。
小ロット仕入れで大切なのは、単に購入数を減らすことではなく、今回の目的に合う供給条件を見つけることです。
まずは、次のように整理してみましょう。
- 条件に合う既製品があり、少量を販売したい:在庫品を優先して探す。
- いくつかの型を試したいが、それぞれ大量に在庫を持ちたくない:アソート注文の条件を確認する。
- 素材、サイズ、仕上がりが希望に合うか判断できない:まずサンプルについて確認する。
- 自社のロゴ、梱包、特別なデザインが必要:カスタマイズの内容を分けて見積もりを依頼する。
これらは組み合わせることもできます。たとえば、まず在庫品のサンプルを取り寄せ、確認後に数色をまとめて注文し、自社の梱包を導入するかどうかはその後に判断する方法です。
在庫品は、具体的な仕様を確認してから追加仕入れの条件を見る
まだ市場の反応を確かめている段階なら、既存の仕様を選ぶことで初期の開発作業を減らせます。商品自体が要望を満たしているなら、「自分のブランドを作るため」に、すぐに色やサイズを変えたり、オリジナルの印刷箱を作ったりする必要はありません。
在庫品といっても、すべての仕様がそろっているとは限りません。問い合わせでは、希望する色・サイズ・それぞれの数量を示し、出荷できる数量と出荷予定を確認しましょう。「この商品はありますか」と聞くだけでは不十分です。
継続して販売する予定なら、同じ仕様を今後も追加仕入れできるかを聞いておきます。在庫処分品は一度限りの販売に使えますが、今回買えることと、今後も補充できることは別です。
仕入れ先を工場だけに絞る必要もありません。在庫を小分けにして少量注文を受ける卸売業者のほうが、大量生産を中心とする工場より今回の目的に合う場合があります。
アソート注文は、注文全体の数量だけでなく組み合わせを確認する
最低注文数量(MOQ)は、仕入れ先が注文を受け付けるために必要な最低数量です。ただし、型・色・サイズごとに設定される場合も、注文全体に設定される場合もあります。アソート注文でも、最低注文金額や、パック単位・箱単位での購入が条件になることがあります。
たとえば、色を組み合わせて注文できる仕入れ先が、注文全体で最低60個、各色で最低20個を条件にしているとします。
- 3色を各20個なら、数量条件を満たします。
- 6色を各10個では、数量条件を満たしません。
合計数が同じでも、注文できるかどうかは変わります。
そのため、具体的な組み合わせを伝えるほうが、役に立つ回答を得やすくなります。
この3色を各20個、合計60個注文したいと考えています。この組み合わせで注文できますか。その場合の単価はいくらですか。
複数の仕入れ先の商品を後からまとめて発送しても、各社の最低注文数量を合算して満たせるようになるわけではありません。アソート注文は購入する商品の組み合わせ、まとめ発送は輸送方法についての話です。
サンプルで商品を確認し、小口注文で需要を見る
手触り、サイズ、仕上がり、実際の使用感が購入判断に関わるなら、画像を比較し続けるよりもサンプルを見るほうが有効です。サイズは適切か、縫い目は丈夫か、付属品は使いやすいか、梱包は店頭での陳列に合うかなど、特に重視する点を確認しましょう。
複数の仕入れ先を比較するときは、同じ基準でサンプルを確認します。サンプル代、送料、後の注文でサンプル代が差し引かれるかは、それぞれ確認してください。サンプルの単価をそのまま使って、大量注文時の価格を計算しないようにします。
カスタムサンプルを承認した後は、素材、寸法、加工方法、梱包などの合意内容を注文書に記載します。一つのサンプルが良好でも、ロット全体の品質を保証するものではありません。その後の納品条件と検査方法も取り決める必要があります。
サンプルで確認できるのは「実物が期待どおりか」です。顧客が購入するか、どの型が人気かを確かめるには、販売できる商品を少量仕入れて反応を見ます。
よく知っている定番商品なら、毎回サンプルを取り直す必要はないかもしれません。ただし、仕入れ先や重要な仕様を変える場合は、再確認する価値があります。
カスタマイズは、ロゴ・梱包・商品自体の変更に分ける
ラベルの追加、ロゴ印刷、梱包の変更と、素材・寸法・構造の変更や新規金型の製作では、必要な作業が異なります。「カスタマイズできますか」とだけ聞いても、比較できる見積もりは得にくいものです。
次のように依頼すると、条件が明確になります。
商品の素材と寸法は変更せず、ロゴの追加と指定の梱包だけを希望します。商品、ロゴ加工、梱包それぞれの最低注文数量と費用を教えてください。
特に梱包は、別途確認しましょう。商品を少量購入できても、オリジナルの印刷箱を同じ数量だけ作れるとは限りません。梱包材を多めに作る必要があるなら、余った分を誰が保管するのか、保管料はかかるのか、後でどう使うのかを、注文前に決めておきます。
既存商品の販売可能性を確かめたいだけなら、既製の仕様と梱包から始められます。一方、独自のサイズや機能そのものが売りなら、通常の在庫品を試験販売しても、そのカスタム商品の検証にはなりません。
最低注文数量が予算を超えるとき、まず相談したいこと
「もっと少なくできませんか」と聞くだけでなく、何が数量制限の理由になっているかを確認します。色ごとの最低数量、箱単位での販売、生産材料、梱包の印刷など、理由によって調整できる部分は変わります。
まず既存仕様・標準梱包での条件を聞く
現時点で商品の使用や販売可能性の判断に影響しないカスタマイズを外し、初回数量を減らせるか確認します。
たとえば、本当に試したいのが梱包デザインではなく商品の機能なら、先に標準梱包での仕入れ条件を聞きましょう。商品を試すための注文と、オリジナルの印刷箱を必ずセットにする必要はありません。
型・色・サイズを広げすぎていないか確認する
仕様ごとに最低注文数量が設定されているなら、必要な少数の仕様に絞ることで、数量条件を満たすためだけに買い増す負担を減らせます。
ただし、注文全体の数量だけが条件なら、色数を減らしても効果がない場合があります。まず計算の単位を理解してから、購入する組み合わせを調整しましょう。
最安単価だけでなく、実際に試したい数量で見積もりを取る
少量注文を受けてもらえるものの単価が高い場合は、単価だけでなく、二つの案に必要な総額を比べます。
単価を下げるために買い増した在庫にも資金は必要です。初回の仕入れでは、まだ使い道のない数量を買うより、妥当な小口価格を受け入れるほうが予算に合うことがあります。
調整しても予算を超えるなら、在庫品を扱う業者や、小口注文を明確に受け付けている業者を探しましょう。一社の条件を満たすために、初回から扱いきれない在庫を抱える必要はありません。
注文前に、数量・費用・納品条件をまとめて確認する
試験仕入れの数量を決めるときは、ロット全体に必要な金額と、手元に届くまでの一個あたりの費用を両方見ます。
少量なら初回在庫は減らせますが、梱包や輸送などの費用を一個ずつに配分すると、高くなることがあります。見積もりに含まれる費用と含まれない費用を分けてから、その試験仕入れに見合うかを判断しましょう。
最初の問い合わせは、次のようにまとめられます。
[商品と仕様]を初めて仕入れる予定です。合計[数量]、内訳は[型・色とそれぞれの数量]で、届け先は[国・都市・郵便番号]です。
今回は[標準梱包を使用/必要な具体的変更]を希望します。在庫数量、最低注文数量とアソート注文の条件、サンプル費用、注文の見積もり、出荷予定、追加仕入れの条件を教えてください。輸送を手配できる場合は、送料の見積もりに含まれる費用と含まれない費用も明記してください。
この組み合わせが最低注文条件を満たさない場合、どの仕様や梱包を変更すれば、この数量で注文できるかを教えてください。
最初のロットが届いたら、実物の品質、納品の状況、到着までの費用、販売状況、返品・交換の反応を記録し、そのうえで追加仕入れ、商品の変更、仕入れ先の変更を判断します。
そうすれば、次の注文は単に「もう少し多く買う」のではなく、具体的な改善材料に基づくものになります。
